棚卸しのコスト削減方法
棚卸しとは?
棚卸しとは商品・製品・原材料などの在庫の数量差異や金額を調べることを言います。EC事業者にとって、在庫は第一にお客様に販売するための商品でありますが、会社にとって資産でもあります。これを棚卸資産と呼び、会社の利益を確定するためには決算時において必須となる作業です。
棚卸しをする理由
前項で述べた様に棚卸しは会計処理のために必要とするのが前提です。そのため、現物と帳簿の不一致の原因を調査することが物流現場に課せられる使命です。それではそもそも何故、在庫が合わなくなってしまうのでしょうか?次にそのよくある事例の一部を紹介致します。
・入出荷検品のミス
入荷検品や出荷検品時に適切な作業を行わないと、数が合わなくなってしまいます。物流倉庫で在庫を管理するにはまずはこの入り口と出口で正確な数を計上する必要があります。物流現場にとっても基本となる作業です。
・返品による棚戻し忘れ
ECの在庫管理でよく課題とされるのがこの問題です。長期不在や不良商品によるクレーム等、発送した商品が返品される理由は様々です。特に不良商品による返品の場合はカスタマーセンターのスタッフが、その返品商品を確認した後、手に取りながら顧客対応をする場合も多く、その際に商品を倉庫へ戻すのを忘れてしまう場合があります。
・紛失
あってはならないことですが、在庫は時に紛失してしまう可能性があります。ECサイトは商品を販売するために写真が必要不可欠ですが、その際に撮影サンプルとして在庫を抜き取ることがあります。撮影現場は慌ただしいことが多く、撮影サンプルが紛失しやすい現場です。また、撮影現場ではしっかりと管理していても、それを倉庫に戻し忘れてしまうと在庫が合わなくなります。このように出荷以外の要因で紛失してしまう恐れがあります。
棚卸しの種類
棚卸しには実地棚卸と帳簿棚卸の二種類があります。
実地棚卸
店舗や倉庫に実際に存在する現物の数を数えて棚卸しをする方法です。物流視点での棚卸しは主にこの実施棚卸しのことを指します。在庫の多いところでは時間や人的コストがかかるため大変な作業になりますが、数だけでなく汚れ等の品質チェックも同時に行うことが可能です。そのため、一番確実性の高い方法となっています。
帳簿棚卸
帳簿上だけで商品の在庫数を確認して棚卸しする方法です。日頃から入出庫管理表を用いて入庫数と出庫数を正確に管理することで実現できます。コストがかからないのはもちろん、すぐに在庫状況を把握できるため素早く会社の業績を知ることができますが、商品が盗難されていた場合や、何らかの理由により商品にダメージがあった場合については把握できません。
棚卸では出荷を止めるべきか?
通販サイトでこのような文言を見かけたことはありませんか?
この度、弊社倉庫の棚卸作業に伴い、誠に勝手ながら下記の期間、出荷業務を停止させて頂きます。 ■出荷停止期間 ××××年×月×日(土)~○○○○年○月○日(月) ■商品出荷予定について △月△日(金)以降にご注文頂いた商品は□月□□日(火)以降、順次出荷となります。
このようにサイトで案内しているショップは棚卸しのために、出荷作業を停止していることになります。出荷を止めると棚卸し作業に集中できる反面、売上が低下する可能性もあります。どうしても出荷業務を停止できない場合は、次に紹介する方法を検討する必要がございます。
棚卸しの仕方
棚卸しには主に二種類の方法があります。
一斉棚卸法
名前の通り一斉に棚卸しする方法です。作業効率はもとろんのこと、正確に棚卸しをすることが可能です。しかし、SKU数が多く在庫数量が多い場合は1日で作業終えることが難しいため、土曜日曜などの休日はもちろん、場合によっては長期休暇を利用して棚卸しをする場合もあります。
循環棚卸法
部分棚卸しとも呼ばれ、特定の商品や特定の保管エリアごとに棚卸しをしていく方法です。この方法だとSKU数が多く在庫数量が多い場合でも、棚卸し作業を小分けにして行うことができるため、日をまたぎながらも、出荷作業が終わった後の夜間などを利用することができます。この方法なら出荷業務を停止する必要はありませんが、棚卸し確定までに時間がかかり、途中に商品の出荷作業が入るため、どうしても在庫がずれてしまうリスクが発生します。
とあるショップでは在庫精度を高めるために、月に一回は循環棚卸法、年に一回は一斉棚卸法というように、この二つの棚卸し方法を併用しているショップもあります。
棚卸しのコストを削減する方法
上記のように正確な棚卸しを行うにはやはり膨大な時間がかかってしまい、それに伴うコストが必要になります。そうなってしまうと経営を圧迫する原因にもなります。その問題を解決するには在庫管理システムを導入し、普段からできるだけ正確な在庫管理を実現しておく必要がございます。具体的にはバーコードのスキャンによる入出荷検品、ロケーション管理、システムを利用した棚卸し等の方法があります。このようにシステムを導入することで、一人あたりの棚卸し作業時間を大幅に短縮することができるため、結果的にコストダウンを実現することが可能です。クラウドWMS「BEELOGI」(ビーロジ)には棚卸しに必要な機能が全て揃っております。棚卸しでお困りの方はクラウドWMS「BEELOGI」(ビーロジ)をご検討下さい。